ブラームスは晩年にクラリネットの作品(三重奏曲、五重奏曲、ソナタ2曲)を
4つ書いております。
その中で、今回はクラリネットの作品で最初に書いたと言われている
クラリネット三重奏曲イ短調作品114を紹介させていただきます。
作曲家ブラームスとは
ヨハネス・ブラームス(1833年5月7日生ー1897年4月3日没) 享年63歳
1833年にドイツ・ハンブルグに生まれ、バッハ、ベートーヴェンとともに
ドイツの「3大B」と呼ばれていいます。
父親は音楽家でありましたが、家庭は非常に貧しく、ブラームスは家計を助けようと
ダンスホールにてピアニストとして生計をたてていたそうです。
性格は「人嫌い」、「偏屈」など孤独であったようです。
そのようなとき転機があったのは20歳の時に「シューマン」との出会いであり、
そのときのシューマンはブラームスのことを「この若者には何も足すべきところも、
何も引くべきところもない」と才能を絶賛したのでした。
クラリネット三重奏曲イ短調 作品114
ブラームスが1891年(58歳)の夏にオーストリアのバート・イシュルで
最初に書いたクラリネットの室内音楽と言われています。
五重奏曲ロ短調作品115と比べると演奏機会は少ないですが、
クラリネット、チエロ、ピアノのハーモニーがすばらしい作品のひとつです。
この曲については、諸説ありますが、ブラームスの友人のにひとりが
「まるで楽器同士が、恋に陥っているようだ。」と語ったそうで、
私も特にクラリネットとチェロの音の調和のとれた融合のすばらしさは
ブラームスが持っている感性そのものであろうと思います。
初演 1891年11月24日
ピアノ(ブラームス)、クラリネット(ミュールフェルト)、
チェロ(ロバート・ハウスマン)
第1楽章 アレグロ イ短調
第1主題、第2主題共にチェロが悲しく優美で哀愁を漂わせるメロディを奏でます。
これぞブラームスらしい旋律だと思います。
第2楽章 アダージョ ニ長調
美しい主題が新しいメロディを挟んで、再現、変形されます。
第3楽章 アンダンティーノ・グラツィオーソ イ長調
メヌエット風がメロディで、明るさの中にブラームスらしい悲しいメロディが
ところどころ現れます。
私はクラリネットとチェロの掛け合いが聴きどころとだと思います。
第4楽章 アレグロ イ短調
ハンガリーの音楽(ジプシー風)のメロディで全体的に明るく曲が終了します。
私のおすすめ名盤
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まとめ
ブラームスは、クラリネットの作品を4つ残しておりますが、今回は一番最初に作曲した
クラリネット三重奏曲イ短調作品114を紹介させていただきました。
是非聴いていただき、これぞブラームスの旋律お楽しみください。
お気に入りの1曲になるかもしれませんね。
尚、私は専門家ではありませんので、あくまでも個人の意見として紹介をさせて
いただきました。
一人でもブラームスの愛聴者が増えれば嬉しいです。
参考文献 吉田秀和氏 ブラームス 河出文庫 2019年
三枝成彰氏 大作曲家の履歴書(下) 中央文庫 2012年
神保璟一郎氏 クラシック音楽鑑賞辞典 講談社学術文庫 1994年
ブラームス 音楽之友社 1993年
ライナーノーツ UGGC6081
<この記事を書いた人>
学生時代から40年以上クラシック音楽をこよなく愛するシニアで、
特に好きな作曲家はブラームスとショパンです。