ブラームス ピアノ・ソナタ第3番へ短調の魅力と私のおすすめ名盤

クラシック音楽

 ブラームスは、ピアノ・ソナタの作品を、全部で3曲残しています。
 この第3番のピアノ・ソナタは5つの楽章からなっており、各楽章の完成時期が異なって
いると言われています。
 ブラームスのピアノ・ソナタの中では、比較的演奏機会が多いこのピアノ・ソナタ
第3番へ短調作品5を紹介いたします。

作曲家ブラームスとは

ヨハネス・ブラームス(1833年5月7日生ー1897年4月3日没) 享年63歳
1833年にドイツ・ハンブルグに生まれ、バッハ、ベートーヴェンとともに
ドイツの「3大B」と呼ばれていいます。
 父親は音楽家でありましたが、家庭は非常に貧しく、ブラームスは家計を助けようと
ダンスホールにてピアニストとして生計をたてていたそうです。
 性格は「人嫌い」、「偏屈」など孤独であったようです。
 そのようなとき転機があったのは20歳の時に「シューマン」との出会いであり、
そのときのシューマンはブラームスのことを「この若者には何も足すべきところも、
何も引くべきところもない」と才能を絶賛したのでした。

ピアノ・ソナタ第3番へ短調 作品5

  ブラームスが20歳の1853年に作曲され、 1853年11月2日に
シューマンの家で披露されたと言われています。
 1番、2番よりも規模が大きく、初演は1854年12月上旬にマクデブルクで
ヘルマン・リヒターと言うピアニストによって行われました。
 この第3番にソナタは、5楽章からなっており、第2楽章と第4楽章は、
他の楽章よりも前に完成されたと言われています。

第1楽章 アレグロ・マエストーソ

 ソナタ形式をとり、とても豪快な曲調で、第1主題はこれ以降のブラームスの理念
(モットー)が見られます。このモットーは親友であったヨアヒムから思いついたものと
言われています。

第2楽章 アンダンテ・エスプレッシーヴォ

 変イ長調で書かれていますが、途中短調に傾くことも多く、ブラームスらしい曲調です。
 この第2楽章と第4楽章は、対になっており、また第1楽章と第5楽章も密接に
関連しています。
 この2楽章の最初に、詩人シュテルナウの「若き恋」と言う詩の1節を
標題としています。

第3楽章 アレグロ・エネルジーコ

 へ短調のスケルツォですが、ブラームスらしく中間部はニ長調で、明るさと
落ち着いた曲調が特徴です。
 1楽章と5楽章、2楽章と4楽章がそれぞれ密接に関連しており、この3楽章を
中心として、全体的には均斉のとれた対称形になっています。

第4楽章 アンダンテ・モルト

 この第4楽章は、晩年にブラームスが独立したピアノの小品によくつけた
「間奏曲」というジャンルに近い感覚があり、さらにこれに「回顧」という
副題をおきました。
 これは、シュテルナウの詩の標題でもありますが、楽譜には明記されていません。

第5楽章 アレグロ・モデラート・マ・ルバート

 第4楽章から休みなく続き、同じ旋律(ロンド主題)を繰り返す間に、
異なる旋律(挿入部)を挟み込むロンド形式で書かれています。
 主題は第3楽章のものと密接に関連しており、第1主題は、これもまたヨアヒムの
モットーに基づいています。
 最後の結尾は、カノンを用いた力作で、速度を高めて壮大に終演します。

私のおすすめ名盤

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まとめ

 ブラームスは、3曲のピアノ・ソナタを作曲しましたが、その中で比較的演奏機会の
多い第3番へ短調作品5を紹介させていただきました。
 是非聴いていただき、ブラームスの若い頃の旋律お楽しみください。
 お気に入りの1曲になるかもしれませんね。

 尚、私は専門家ではありませんので、あくまでも個人の意見として紹介をさせて
いただきました。
 一人でもブラームスの愛聴者が増えれば嬉しいです。

参考文献 新保裕司氏 ブラームス ヴァリエーション 2023年
     吉田秀和氏 ブラームス 河出文庫 2019年
     三枝成彰氏 大作曲家の履歴書(下) 中央文庫 2012年
     神保璟一郎氏 クラシック音楽鑑賞辞典 講談社学術文庫 1994年
     ブラームス 音楽之友社 1993年
     CD RCA BVCC-38256~60のライナー2003年6月

<この記事を書いた人>
 学生時代から40年以上クラシック音楽をこよなく愛するシニアで、
特に好きな作曲家はブラームスとショパンです。

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