ブラームス　弦楽四重奏曲第２番イ短調の魅力と私のおすすめ名盤

ブラームスは、自分の曲を発表するにあたり、とても慎重であったと言われています。
　ご存知のとおり、交響曲第１番ハ短調の作曲に２０年以上の歳月をかけたことは、とても
有名な話です。
　これは、ブラームスは絶えずベートーヴェンを意識していたことも影響があるとも
言われています。　
　今回紹介する弦楽四重奏曲も同様に最初の２曲は８年の歳月を要しています。
　ブラームスは数多くの室内楽曲を残しましたが、弦楽四重奏曲は
３曲しか残していません。
　この３曲の前に２０曲を超える弦楽四重奏曲を作曲ましたが、多くは破棄されたと
言われています。今となってはとても残念でなりません。
　この３曲の弦楽四重奏曲は、いずれもブラームスの室内楽曲（ロマン派）として
重要な作品といわれていますが、その中で、今回はブラームスの手法をよく示していると
言われている第２番イ短調作品５１－２を紹介させていただきます。

作曲家ブラームスとは

ヨハネス・ブラームス（１８３３年５月７日生ー１８９７年４月３日没）　享年６３歳
１８３３年にドイツ・ハンブルグに生まれ、バッハ、ベートーヴェンとともに
ドイツの「３大Ｂ」と呼ばれていいます。
　父親は音楽家でありましたが、家庭は非常に貧しく、ブラームスは家計を助けようと
ダンスホールにてピアニストとして生計をたてていたそうです。
　性格は「人嫌い」、「偏屈」など孤独であったようです。
　そのようなとき転機があったのは２０歳の時に「シューマン」との出会いであり、
そのときのシューマンはブラームスのことを「この若者には何も足すべきところも、
何も引くべきところもない」と才能を絶賛したのでした。

弦楽四重奏曲第２番イ短調　作品５１－２

　指揮者で作曲家でもあったワインガルトナー（旧オーストリア　ザーフ出身・
現在クロアチア）は、ブラームスのことを「形式の大家」と評していたそうですが、
その特徴を示しているのが、この第２番の弦楽四重奏曲とも言われています。
　１８７３年ブラームスが４０歳の時に第１番とともに作曲され、同様に外科医の
テオドール・ビルロートに献呈されています。
　構成：ヴァイオリン２、ヴィオラ１，チェロ１

第１楽章　アレグロ・ノン・トロッポ

　劇的で悲しいブラームスらしい第１主題で始まり、続いて流れるように美しい第２主題に
引き継がれます。

第２楽章　アレグロ・モデラート

　最初は、ゆったりとした美しいメロディで始まりますが、途中ブラームスらしい曲調で、
烈しくなるところもあります。
　全体的に少し親しみが薄く感じますが、繰り返し聴くと深い味がでる楽章であると思います。

第３楽章　クヮジ・メヌエット（モデラート）

　きわめて壮重なメヌエットの第１主題で始まり、第２主題はスケルツォ風の
ブラームスらしい曲調で歓喜をきわめます。

第４楽章　アレグロ・ノン・アッサイ

　第１主題は、活気がある第１ヴァイオリンで始まり、ついでこれを受けてヴィオラが
登場し、コンビネーションをきわめます。
　第２主題も第１ヴァイオリンが中心となり、ブラームスの手法をよく示していると
言われています。

私のおすすめ名盤

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まとめ

ブラームスは、弦楽四重奏曲を３曲作曲しましたが、今回ブラームスの手法が
よく示されていると言われている、弦楽四重奏曲第２番イ短調作品５１－２を
紹介させていただきました。
　是非聴いていただき、これぞブラームスの旋律お楽しみください。
　お気に入りの１曲になるかもしれませんね。

　尚、私は専門家ではありませんので、あくまでも個人の意見として紹介をさせて
いただきました。
　一人でもブラームスの愛聴者が増えれば嬉しいです。

参考文献　新保裕司氏　ブラームス　ヴァリエーション　２０２３年
　　　　　吉田秀和氏　ブラームス　河出文庫　２０１９年
　　　　　三枝成彰氏　大作曲家の履歴書（下）　中央文庫　２０１２年
　　　　　神保璟一郎氏　クラシック音楽鑑賞辞典　講談社学術文庫　１９９４年
　　　　　ブラームス　音楽之友社　１９９３年

＜この記事を書いた人＞
　学生時代から４０年以上クラシック音楽をこよなく愛するシニアで、
特に好きな作曲家はブラームスとショパンです。