ブラームスは、ピアノ・ソナタの作品は、全部で3曲残しています。
この第2番のピアノ・ソナタは1852年11月に作曲され、作品2とされていますが、
3曲あるピアノ・ソナタのうち、最初に作曲されたと言われています。
今回は、この若々しいピアノ・ソナタ第2番嬰へ短調作品2を紹介いたします。
作曲家ブラームスとは
ヨハネス・ブラームス(1833年5月7日生ー1897年4月3日没) 享年63歳
1833年にドイツ・ハンブルグに生まれ、バッハ、ベートーヴェンとともに
ドイツの「3大B」と呼ばれていいます。
父親は音楽家でありましたが、家庭は非常に貧しく、ブラームスは家計を助けようと
ダンスホールにてピアニストとして生計をたてていたそうです。
性格は「人嫌い」、「偏屈」など孤独であったようです。
そのようなとき転機があったのは20歳の時に「シューマン」との出会いであり、
そのときのシューマンはブラームスのことを「この若者には何も足すべきところも、
何も引くべきところもない」と才能を絶賛したのでした。
ピアノ・ソナタ第2番嬰へ短調 作品2
1854年(ブラームスが21歳)に改訂され、初演は1855年12月とされています。
ブラームスが最も尊敬していたベートーヴェンの影響を受けており、この2番は、
私は、1番の男性的なイメージとは違って、どちらかと言うと女性的なイメージが濃く、
とても感傷的な感じを受けます
また、この第2番のピアノ・ソナタは、改訂後。クララ・シューマンに
献呈されています。
第1楽章 嬰へ短調 アレグロ・ノン・トロッポ・マ・エネルジーコ
大規模で力強い第1主題とカノン風な第2主題で構成されており、提示部、展開部、
再現部の3つの部分で構成されているソナタ形式です。
第2楽章 ロ短調 アンダンテ・コン・エスプレッショーネ
ピアノ・ソナタ第1番の第2楽章と同様にドイツ民謡風で独唱と合唱が交互に進む
ような形となっており、切れ目なく第3楽章へと続きます。
曲調はとても暗く陰湿なイメージですが、最後は明るく不思議な世界へ引き込まれます。
第3楽章 ロ短調 アレグロ
スケルツォで主部は第2楽章の変奏を主題としています。
曲調は、冒頭な陰湿なメロディで始まりますが、その後ロマンティックな
メロディとなり、とても美しく若々しいイメージです。
第4楽章 嬰へ短調 ソステヌート
この楽章もソナタ形式ですが、序奏が付いていて、曲全体を統一しています。
全体的には美しいメロディですが、所々情熱的でかつロマンティックなメロディの中に
陰影的なメロディも現れ、これぞブラームスの音楽であると思います。
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まとめ
ブラームスは、3曲のピアノ・ソナタを作曲しましたが、その中でも最初に書かれた
といわれている第2番嬰へ短調作品2を紹介させていただきました。
是非聴いていただき、ブラームスの若い頃の旋律お楽しみください。
お気に入りの1曲になるかもしれませんね。
尚、私は専門家ではありませんので、あくまでも個人の意見として紹介をさせて
いただきました。
一人でもブラームスの愛聴者が増えれば嬉しいです。
参考文献 新保裕司氏 ブラームス ヴァリエーション 2023年
吉田秀和氏 ブラームス 河出文庫 2019年
三枝成彰氏 大作曲家の履歴書(下) 中央文庫 2012年
神保璟一郎氏 クラシック音楽鑑賞辞典 講談社学術文庫 1994年
ブラームス 音楽之友社 1993年
CD RCA BVCC-38256~60のライナー2003年6月
<この記事を書いた人>
学生時代から40年以上クラシック音楽をこよなく愛するシニアで、
特に好きな作曲家はブラームスとショパンです。