ブラームス 室内楽曲の名曲3選と私のおすすめ名盤

クラシック音楽

ブラームスは、交響曲や協奏曲など多くの名曲を残しておりますが、同時に室内楽曲も
多くの名曲を残しており、演奏会も開催されています。
今回はその室内楽曲の中から名曲3選と私の愛聴盤を紹介したいと思いますので、
ご参考にしていただけますと幸いです。
尚、感想等はあくまでも個人的となりますので、予めご了承ください。

作曲家 ブラームスとは

ヨハネス・ブラームス(1833年5月7日生ー1897年4月3日没) 享年63歳
1833年にドイツ・ハンブルグに生まれ、バッハ、ベートーヴェンとともに
ドイツの「3大B」と呼ばれていいます。
父親は音楽家でありましたが家庭は非常に貧しく、ブラームスは家計を助けようと
ダンスホールにてピアニストとして生計をたてていたそうです。
性格は「人嫌い」、「偏屈」など孤独であったようです。
そのようなとき転機があったのは20歳の時に「シューマン」との出会いであり、
そのときのシューマンはブラームスのことを「この若者には何も足すべきところも、
何も引くべきところもない」と才能を絶賛したのでした。

1.弦楽六重奏曲第1番変ロ長調 作品18

1860年 27歳の作品で、全体的に若々しく情熱的な曲風が感じられます。
特に、第2楽章はピアノに編曲され、クララの誕生日にプレセントされたと
言われています。
また、作曲当時は弦楽四重奏曲が主流でしたので、、ヴァイオリン2,ヴィオラ2,
チェロ2の弦楽六重奏曲の編成は珍しく、ブラームスが確立していったと言われています。
とりわけ第2楽章は有名で、いろいろなシーンに使用されています。

第1楽章 

変ロ長調で書かれていますが、ブラームスらしく、どこか哀愁が見え隠れし、
シューベルトを思わせる旋律が耳に残ります。

第2楽章

第1ヴィオラから始まる力強くブラームスらしいロマンティックな旋律は、
聴く者を魅了します。
今では単独でも用いられ、いろいろな場面で使用されています。
また、ルイ・マル監督の映画「恋人たち」でも使用されたことでも知られています。
(1958年 フランス映画)

第3楽章

ベートーヴェンに心酔したブラームスが表現されている曲調であり、へ長調で
書かれていますが、どこか哀愁が漂っていて、いかにもブラームスらしい旋律です。

第4楽章

主題が反復して現れるロンド形式で書かれており、優美な第1主題と豊かで美しい
第2主題が見事に調和していて、聴いていて心地よい旋律です。

私のおすすめ名盤

【広告】広告アフリエイト


2.クラリネット・ソナタ第1番へ短調 作品120-1

クラリネットの室内楽曲を作曲することになったのは、1891年ブラームスが
58歳の時に知り合ったクラリネット奏者であるリヒャルト・ミュールフェルトの
影響が大きいと言われています。
このクラリネット・ソナタ第1番へ短調は、1895年1月7日ウィーンで公の場で
ミュールフェルトのクラリネット、ブラームス自身のピアノによって初演されました。
また、クラリネットの作品にはクラリネット・ソナタの他、三重奏曲および
五重奏曲がありますが、いずれも晩年の素晴らしい作品です。

このクラリネット・ソナタ第1番は一言でいうと「情熱的」であり、晩年のブラームスの
心境が感じられる曲の一つです。
また、最後の作品となったこのソナタにはブラームスが最初に作曲したピアノ・ソナタ
第1番の主題から引用されていることも非常に興味深いです。
ブラームスはヨーロッパに古代から伝わる表現で完結することを意味する
「蛇が尻尾を嚙んで輪は閉じられた」と語ったのは有名で、まさにこの表現を用いて
自分の作曲家としての人生を語ったことはブラームスらしいです。

第1楽章 アレグロ・アパッショナート

ブラームス独特の悲しいメロディが冒頭から始まり、この主題のメロディが途中、
さまざまな形で現れます。
このなんとも言えないとりとめのない哀愁漂うメロディが、落ち着いた味を醸し出します。

第2楽章 アンダンテ・ウン・ポコ・アダージョ

美しいメロディでクラリネットが細かい旋律を奏でます。
不協和音の気だるい印象でピアノの繊細な響きと調和して、漂っている感じがします。

第3楽章 アレグレット・グラツィオーソ

レントラーと呼ばれるドイツの民芸舞踊風でとても華やかで心地よい楽章です。
中間部は長調から短調へ変わるのも聴きどころです。

第4楽章 ヴィヴァーチェ

ブラームスらしくない明るいメロディで始まりますが、途中ブラームスらしい影を
感じるメロディとなり、最後は高潮し終曲します。
クラリネットとピアノが語らうように聴く者の心にさまざまにか語りかけるようで、
主役と脇役が交互に入れ替わる絶妙なアンサンブルです。

私のおすすめ名盤

【広告】広告アフリエイト


3.ヴァイオリン・ソナタ第3番 二短調 作品108

3つのヴァイオリン・ソナタの最後にあたるこの曲は、1888年の夏に作曲され、
有名な指揮者でピアニストでもあるハンス・フォン・ビューロー氏に献呈されたそうです。
初演は1889年2月13日(ウィーン)
ヴァイオリン・ソナタでは珍しい4楽章で構成されています。

第1楽章 アレグロ

私としては、全曲のうち最も美しく哀愁のある楽章であると感じます。
ヴァイオリンが複雑な主題を見事に奏出しています。

第2楽章 アダージョ

非常にゆったりとした曲調で、うっとりさせられます。

第3楽章 ウン・ポコ・プレスト・エ・コン・センティメント

嬰ヘ短調で書かれ、ブラームスらしく不安な感じが全曲に漂っています。

第4楽章 プレストアジタート

溢れるような感覚と燃え上がる情熱が曲全体を包み込みます。
ヴァイオリンの音色が引き立てられます。

私のおすすめ名盤

【広告】広告アフリエイト

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ドラマティック・ブラームス [ 千住真理子 ]
価格:2,710円(税込、送料無料) (2024/5/17時点)


まとめ

ブラームスは、数多くの室内楽曲を作曲しており、いずれも素晴らしい名曲です。
今回は「弦楽曲」、「器楽曲(クラリネット)」、「器楽曲(ヴァイオリン)」の
3曲を紹介させていただきました。
是非皆様も一度お聴きいただき、ご自分のお気に入りの曲を探してみてください。

尚、私は専門家ではありませんので、あくまでも個人の意見として紹介をさせて
いただきました。
ご興味のある方は、一度お聴きいただき、一人でもブラームスの愛聴者が増えれば
嬉しいです。

参考文献 吉田秀和氏 ブラームス 河出文庫 2019年
     三枝成彰氏 大作曲家の履歴書(下) 中央文庫 2012年
     神保璟一郎氏 クラシック音楽鑑賞辞典 講談社学術文庫 1994年

タイトルとURLをコピーしました