ブラームスの交響曲は全部で4曲ありますが、1番と4番は短調で書かれ、
2番と3番は長調で書かれています。その中でも作曲に約21年を費やし、
また、ベートーヴェンの第10交響曲と評された第1番の魅力とわたしのすすめ名盤
3選を紹介いたします。
作曲家ブラームスとは
ヨハネス・ブラームス(1833ー1897) 享年63歳
1833年にドイツ・ハンブルグに生まれ、バッハ、ベートーヴェンとともに
ドイツの「3大B」と呼ばれていいます。
父親は音楽家でありましたが家庭は非常に貧しく、ブラームスは家計を助けようと
ダンスホールにてピアニストとして生計をたてていたそうです。
性格は「人嫌い」、「偏屈」など孤独であったようです。
そのようなとき転機があったのは20歳の時に「シューマン」との出会いであり、
そのときのシューマンはブラームスのことを「この若者には何も足すべきところも、
何も引くべきところもない」と才能を絶賛したのでした。
交響曲第1番ハ短調作品68の特徴
ブラームスは生涯において、交響曲を4曲しか書きませんでした。
当時は、ベートーヴェンの後継者と評されため、かなりの重圧になったことのようです。
と同時に交響曲へのこだわりがあったことで、この第1番交響曲は、4曲の内一番初めに
手掛けましたが、なんと作曲に約21年の歳月を費やして1876年ブラームスが43歳に
やっと完成した交響曲です。
(初演は1876年でブラームス自らの指揮で行われました。)
また、この交響曲はいろいろな点でベートーヴェンの「第9」に似ていたことから、
有名な指揮者であるハンス・フォン・ビューローからはベートーヴェンの第10交響曲と
絶賛されたそうです。
第一楽章(ウン・ポコ・ソステヌート・アレグロ)ハ短調
ハ短調で書かれ、冒頭から重々しく、ベートーヴェンを思わせます。
第二楽章(アンダンテ・ソステヌート)ホ長調
ホ長調で書かれ、ゆったりとしたアンダンテで、第1楽章とは全く違い、
美しい情景が浮かびます。
最後のほうに登場するヴァイオリンの独奏も美しいです。
第三楽章(ウン・ポコ・アレグレット・エ・グラチオーソ)変イ長調
変イ長調で書かれ、舞曲風アレグレットで非常に優雅です。
第四楽章(アダージョ・ピウ・アンダンテ・アレグロ)ハ短調
1楽章と同様にハ短調で書かれ、明暗の変化が激しく、宗教的な終末はブラームスの人生の
すべてが凝縮されている感じがします。
冒頭からずっと緊張、不安の連続でありますが、途中のホルンの美しい音色は、
聴き手にとって安堵感を与えられ、最後は不安と緊張が最高潮に達して終演します。
初演の時にベートーヴェンの「歓喜の歌」に似ていると非難されたエピソードもあった
そうです。
私のおすすめ名盤3選
1.指揮:セルジュ・チェリビダッケ(CD)
多数の指揮者の演奏を聴きましたが、非常にテンポが遅く、ゆったりとした
ブラームスの演奏です。途中指揮者の唸り声も聞こえ熱演ぶりが伝わってきます。
ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団との演奏もありますが、私は今のところ
このシュトゥットガルト放送管弦楽団の演奏が一番好きです。
2.指揮:リッカルド・シャイー(CD)
イタリアの指揮者で、演奏はドイツの名門ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団との
カップリングで、ドイツ音楽の重厚さが表現されている演奏です。
3.指揮:小澤征爾(CD)
病気療養ののち復活された2010年12月に音楽の殿堂であるニューヨークの
カーネギーホールでサイトウ・キネン・オーケストラとの奇蹟のライヴ録音です。
復活にふさわしい感動的な演奏です。
まとめ
まだまだたくさんの名盤、名演奏がありますが、私が良く聴くものを紹介いたしました。
尚、私は専門家ではありませんので、あくまでも個人の意見として紹介をさせて
いただきました。
ご興味のある方は、一度お聴きいただき、一人でもブラームスの愛聴者が増えれば
嬉しいです。
参考文献 吉田秀和氏 ブラームス 河出文庫 2019年
三枝成彰氏 大作曲家の履歴書(下) 中央文庫 2012年
神保璟一郎氏 クラシック音楽鑑賞辞典 講談社学術文庫 1994年