ショパン ピアノ協奏曲第1番の魅力とおすすめ名盤3選

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5年に1度、ショパンの育った街であるポーランドの首都であるワルシャワで10月に
「ショパン国際ピアノ・コンクール」が開催されます。
2021年(第18回)では2位と4位に日本人が入賞され、大きな話題になったことは
記憶に新しいと思います。(本来は2020年ですがコロナの影響で2021年に開催)
そのファイナル(本選)ではショパンが作曲した2つのピアノ協奏曲のいずれかを
演奏するのですが、ほとんどのファイナリストは1番を選択するそうです。
つきましては、そんな1番の魅力を紹介したいと思います。

作曲家ショパンとは

1810年3月1日生まれ(1849年10月17日没) 39歳
(生誕地:ポーランド 首都ワルシャワに近いジェラゾヴァ・ヴォラ)
父親はフランス語教師(フランス人)、母親はピアニスト(ポーランド人)のハーフで、
容姿は上品な顔立ちで優雅な物腰、声が小さく、手指が小さかったようです。
また、性格は人々の耳目を集める中心人物でしたが、少々意固地なところが
あったようです。
「ピアノの詩人」といわれるだけに作曲した曲がほぼピアノ曲であり、
わが日本においては、テレビCMなどを通じ耳にする曲は非常になじみのある曲ばかりです。

ピアノ協奏曲第1番ホ短調 作品11の特徴

終生祖国ポーランドを愛したショパンが、最後にポーランドを離れる2ヵ月前、
1830年10月(20歳)に完成されています。
彼のピアノ協奏曲は2曲ありますが、第2番の方が先に作曲されています。
(第2番は作品21番)
初演は同年10月11日にワルシャワでショパン自ら演奏がおこなわれました。
この作品は、「ピアノの詩人」らしいショパンのピアノに対するありとあらゆる気持ちが
込められた名作であります。

第一楽章(アレグロ・マエストーソ)

女性的なイメージのショパンですが、冒頭は彼の隠れた男性的な音階で力強くはじまります。
途中からイメージである女性的でロマンティックな音にかわっていく様子はショパンの
繊細な感情そのものです。

第二楽章(ロマンス・ラルゲット)

ショパン本人はこの楽章を「春の月のおぼろに霞んだ夜の瞑想」と表現しており、
まさにロマンティックで甘美な情景そのものです。

第三楽章(ロンド・ヴィヴァーチェ)

第2楽章の甘美のメロディーから一転して明るい世界を展開します。

私のおすすめ名盤3選

1.ピアノ&指揮:クリスティアン・ツィマーマン

【1975年優勝者】1956年12月5日生(ポーランド)
ショパンと同郷であるツィマーマンはショパンの2曲のピアノ協奏曲に対して、非常に
思い入れがあり、かなり研究熱心であると言われています。
それを実現するために、自らオーケストラを組織して、自らピアノの演奏を行いました。
まさにこのCDには彼の意志を徹底させた内容が詰め込まれている感じがいたします。
非常にテンポが遅く、オーケストラには異様に厚みがあり、途中は所々の強弱でうねり、
時々大きく間があり、ツィマーマンの独奏も自信に溢れています。
私は最初に聴いたとき、こんな遅いテンポの演奏に驚愕でしたが、聴いているうちに
その演奏に引き込まれてしまい、以来現在もこの演奏に非常に魅力を感じています。
演奏:ポーランド祝祭管弦楽団

2.ピアノ:スタニスラ・ブーニン

【1985年優勝者】1966年9月25日生(ロシア)
19歳でショパン国際ピアノ・コンクールで優勝し、一躍時の人となり、日本では
「ブーニン・ブーム」となり、大人気のピアニストになりました。
1988年に西ドイツ(当時)に亡命し、以後世界中の音楽フェスティバルなどにも
精力的に出演したことから、世界中で人気のピアニストでもあります。
近年は体調不良の為、一時演奏を休止されていましたが、再開をされたようです。
また、ピアニストの辻井伸行氏にも影響を与えた演奏家として知られています。
この演奏はブーニンの感覚的なひらめきと作品への思いやオーケストラとの融合、調和、
協調が素晴らしいです。
今後もブーニン氏を応援したいと思います。
演奏:カジミエシュ・コルド指揮、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団

3.ピアノ:ラファウ・ブレハッチ

【2005年優勝者】1985年6月30日生(ポーランド)
ショパン国際ピアノ・コンクールではショパンに雰囲気が似ていると話題になったそうです。
尚、日本では2003年に第5回浜松国際ピアノコンクールで第2位(1位該当なし)を
受賞されています。
演奏はショパンのイメージのように繊細で柔らかく「うっとり」の一言がふさわしいです。
また、指揮者、ピアニストいずれもポーランド人で、ショパン生誕200年を記念して
録音された演奏です。
演奏:イェジー・セムコフ指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

まとめ

まだまだたくさんの名盤、名演奏がありますが、私が良く聴くものを紹介いたしました。
尚、私は専門家ではありませんので、あくまでも個人の意見として紹介をさせて
いただきました。
ご興味のある方は、一度お聴きいただき、一人でもショパンの愛聴者が増えれば
嬉しいです。
また次回の「ショパン国際ピアノ・コンクール」が楽しみです。

ピアノ協奏曲第2番の魅力とおすすめ名盤3選

参考文献:三枝成彰氏 大作曲家の履歴書(上) 中央文庫 2012年
     中野 雄氏ほか クラシック名盤この1枚 知恵の森文庫 2003年 
     神保璟一郎氏 クラシック音楽鑑賞辞典 講談社学術文庫 1994年

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