ブルッフ 3つのヴァイオリン協奏曲の魅力

趣味

ブルッフはヴァイオリンの名手ではなかったそうですが、3曲のヴァイオリン協奏曲を
作曲しています。いずれも短調で書かれており、哀愁漂うメロディが素晴らしい作品です。
中でも1番は有名で、演奏会でも演奏される機会が多いですが、2番、3番はあまり
演奏される機会がなく、また、CDもあまり発売されておらず私としましては非常に
残念に思っております。
今回は、1番はもちろん2番、3番の紹介もしたいと思います。
私は、3番がお気に入りです。

作曲家ブルッフ(マックス)とは

ドイツ ケルン生まれ 1838年1月6日生  1920年10月2日没 (82歳)
少年のころから教師で有名な歌手であった母親から手ほどきを受け早くから才能を示したと
言われており、主に指揮者として活躍をしました。
すべての曲において哀愁が漂う魅力的な旋律を生み出すことに長けていたようで、
かつその旋律は親しみやすいのが特徴です。
また、ブラームスとは友人であり良きライバルとも言われていました。

ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 作品26

この1番は1857年のブルッフが19歳の時から着想で、1866年の完成まで
約9年の歳月を要しています。
初演はブルック自身が指揮をしましたが、2年後の1868年に有名なヨアヒムの
演奏により急速に人気が高まったと言われています。
また、近年ではバイオリニストの川井郁子氏が対談で、魅了された曲としても
紹介されました。

<第一楽章> アレグロ・モデラート
冒頭はどっしりとしていて情熱がこもった忘れられない旋律から始まり、
最後は美しい旋律で終演します。

<第二楽章> アダージョ
心が安らぐ美しい旋律で、うっとりして聴きいってしまします。

<第三楽章> アレグロ・エネルジコ
リズミカルかつ軽快で明るく美しい旋律です。
また、オーケストラとヴァイオリンとの協調が雄大でかつとても繊細です。

ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調 作品44

1877年11月4日にロンドンで指揮は、ブルッフ自身でヴァイオリンは有名な
ヴァイオリニストであるサラサーテにて行なわれました。

<第一楽章> アレグロ・ノン・トロッポ
何とも言えない哀愁漂う旋律から始まります。聴いているうち何だかもの悲しくなって、
ヴァイオリンとオーケストラとの調和が素晴らしいです。
途中から哀愁の旋律から美しい旋律へと自然に移り変わり聴いている者をうっとりさせ、
自分が陽だまりの中にいるような感じになります。
曲の後半は、哀愁と美しさの旋律が交互に現れ、最後は主題の旋律を残しつつ静かに終わります。

<第二楽章> アレグロ・アンダンテ・ソステヌート
オーケストラの序奏からすぐにヴァイオリンの独奏が始まり、オーケストラが黒子に徹し
ヴァイオリンの美しい旋律をさらに引き立てます。

<第三楽章> アレグロ・モルト
第二楽章から引き継がれたようにオーケストラは黒子の役目をして、華やかな美しい
ヴァイオリンの旋律を引き立て、協調が素晴らしいです。
曲の後半は主旋律である哀愁漂う旋律を残しつつオーケストラのクライマックスで
終演します。

ヴァイオリン協奏曲第3番ニ短調 作品58

1891年5月31日にドイツのデュッセルドルフで初演されました。
この曲は3曲の中で、私が一番好きな曲です。

<第一楽章> アレグロ・エネルジーコ
冒頭はオーケストラでの哀愁漂う旋律から始まり、途中ヴァイオリンの独奏が
オーケストラの主題の旋律を回想するようにさらに哀愁度が増し、何とも言えない
美しい音色です。
曲の中頃から終盤にかけてオーケストラの壮大な演奏後、再度ヴァイオリンの哀愁に満ちた
旋律がもの悲しくなりますが、最後は主題の旋律が復活し、オーケストラが楽章全体を
盛り上げ、ヴァイオリンとの協調で静かに終演します。

<第二楽章> アダージョ
美しく静かな旋律で始まり、ヴァイオリンの独奏がオーケストラの伴奏によって
引き立てられます。
太陽の陽があたり実にほのぼのとした感じで、最初から最後まで非常に心地よいです。

<第三楽章> アレグロ・モルト
軽快なリズムの主題で始まり、途中 哀愁の旋律になったり、主題の旋律になったり曲調の
変化が著しいです。
ヴァイオリンの独奏も主題の旋律が見え隠れして、オーケストラに引き渡します。
オーケストラとヴァイオリンの協調が素晴らしいです。

おすすめ名盤

ブルッフのヴァイオリン協奏曲は1番は、演奏される機会も多く、またCDも多く
発売されておりますが、2番、3番は演奏機会も非常に少なく、CDも多くありません。
私が愛聴しているのは、下記CDでヴァイオリン協奏曲の3曲が入っている全集です。
他、「セレナード作品75」や「スコットランド幻想曲作品46」も収容されていて、
非常にお得なCDです。
ヴァイオリン:サルヴァトール・アッカルド
指揮:クルト・マズア
演奏:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
この演奏は、ヴァイオリニストであるアッカルドのテクニックが素晴らしい演奏です。
PHCP20155/6

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まとめ

まだまだたくさんの名盤、名演奏がありますが、私が愛聴しているものを
紹介いたしました。(特に1番の演奏はかなり多くあります。)
尚、私は専門家ではありませんので、あくまでも個人の意見として紹介をさせて
いただきました。
ご興味のある方は、一度お聴きいただき、一人でもブルッフの愛聴者が増えれば
嬉しいです。

参考文献 神保璟一郎氏 クラシック音楽鑑賞辞典 講談社学術文庫 1994年

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