ブラームス 2つのチェロ・ソナタの魅力とわたしの愛聴盤

趣味

ブラームスのチェロ・ソナタは第1番ホ短調と第2番ヘ長調の2曲があります。
2曲ともブラームスらしいロマンティックな幻想に富んでいる名作であり、私は
悲しげな旋律の第1番が好きです。

作曲家ブラームスとは

ヨハネス・ブラームス(1833ー1897) 享年63歳
1833年にドイツ・ハンブルグに生まれ、バッハ、ベートーヴェンとともに
ドイツの「3大B」と呼ばれていいます。
父親は音楽家でありましたが家庭は非常に貧しく、ブラームスは家計を助けようと
ダンスホールにてピアニストとして生計をたてていたそうです。
性格は「人嫌い」、「偏屈」など孤独であったようです。
そのようなとき転機があったのは20歳の時に「シューマン」との出会いであり、
そのときのシューマンはブラームスのことを「この若者には何も足すべきところも、
何も引くべきところもない」と才能を絶賛したのでした。

チェロ・ソナタ第1番ホ短調 作品38番

この第1番ホ短調は、1862年から1865年の4年の歳月をかけて作曲されており、
ブラームスの壮年時代の作品です。(29歳から32歳)
第一楽章の冒頭の悲しげで愛くるしい旋律は、これこそブラームス音楽で、
聴けば聴くほど味わい深い作品だと思います。

第一楽章 アレグロ・ノン・トロッポ

冒頭のチェロの哀愁を帯びた悲しげな旋律、それに追従するピアノとの協調は
素晴らしいです。

第二楽章 アレグレット・クヮジ・メヌエット

哀愁が漂うメロディで、チェロの重々しさをピアノが引き立てています。

第三楽章 アレグロ

第1楽章と第2楽章での鬱積した気持ちがこの3楽章で解き放たれ、激しい感情が現れ
その後は少し明るくゆったりとした気分になり、最後は華やかな感情で終演します。

チェロ・ソナタ第2番へ長調 作品99番

この第2番ヘ長調は、1886年、ブラームスが53歳の円熟時代の作品で、
第1番の作曲から約20余年を経過しています。

第一楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ

明るい感情で、チェロとピアノの調和が心地良いメロディです。

第二楽章 アダージョ・アッフェトーソ

ゆったりとした自然な旋律で最初から最後までチェロの旋律をピアノが引き立てます。

第三楽章 アレグロ・パッショナート

冒頭はチェロの男性的な旋律とピアノの力強さが対等し激しい感情となり、
やがて落ち着きゆったりとした旋律が全曲を包みます。

第四楽章 アレグロ・モルト

明るい旋律で始まりますが、時々ブラームスらしい悲しげな旋律もところどころに
登場しますが、全体的にはチェロとピアノの調和が心地良いです。

私の愛聴盤

難病の為、若くして亡くなったジャクリーヌ・デュ・プレの傑作です。


まとめ

ブラームスのチェロ・ソナタは2曲ありますが、1番は壮年時代に作曲され、
また2番は円熟時代に作曲されました。20年余りの歳月での違いを比べるのも
とても感慨深いのではないでしょうか?
尚、私は専門家ではありませんので、あくまでも個人の意見として紹介をさせて
いただきました。
ご興味のある方は、一度お聴きいただき、一人でもブラームスの愛聴者が増えれば
嬉しいです。

参考文献 吉田秀和氏 ブラームス 河出文庫 2019年
     三枝成彰氏 大作曲家の履歴書(下) 中央文庫 2012年
     神保璟一郎氏 クラシック音楽鑑賞辞典 講談社学術文庫 1994年




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